糸かけ曼荼羅 釘と糸の自由で不思議な関係

糸かけ

糸かけのルールは、とっても自由

基準となる釘を決めて糸を結び、その隣の釘から決めた数をかぞえて糸を巻きつけ、また数えて巻きつける。これを繰り返します。

スタート位置となる釘の場所はどこでも構いません。糸をかけていく方向は、時計回り、反時計回り、どちらでも構いません。糸がすべての釘にかかってスタート位置に戻ったら、一周が終了となります。

釘の数は自由です。いくつずつ進んでいくかも自由です。

でも、好きな数の釘に好きな数ずつ進めて糸をかけ、すべての釘に糸がかかるのか?ここが問題です。

釘の数と糸かけできる数の関係

「釘の数」と「進む数」は、「互いに素」である必要があります。そうでなければ、すべての釘に糸がかからないうちにスタート位置に戻ってきてしまいます。

「互いに素」とは、公約数が「1」のみのことです。今回、釘は48本です。例えば、10ずつ進んでいくとすると、48と10の公約数は2なので、すべての釘に糸がかからずにスタート位置に戻ってきてしまいます。では、いくつずつ進めばよいのか?

48を素因数分解すると2×2×2×2×3となり、2と3で割れる数で糸をかけていくと、すべての釘に糸がかかる前にスタート位置に戻ってしまうのです。それ以外の数、つまり23、19、17、13、11、7、5、3、1なら、すべての釘に糸がかります。

この数によって糸が描く円の大きさが違ってきます。互いに素となる数しか糸をかけられないとなると、自分の好みの円を描けません。好きな数で好きな大きさの円を描き、自分だけの糸かけ曼荼羅を作るにはどうしたらよいのでしょう。

自分だけの曼荼羅アート

方法は2つあります。1つ目は、釘の数を素数にする方法です。

2つ目は、すべての釘に糸がかからずスタート位置に戻ってきたら、1つ先の釘に糸を巻きつけ、そこをスタート位置にする方法です。これを繰り返し、糸がすべての釘にかかるまで繰り返します。

1つ目の方法の欠点は、素数の釘うちシートの作成が難しいことです。幸い、ネット上に公開されているものがありますので、ありがたくそれを利用させてもらいましょう。

2つ目の方法の欠点は、スタート位置が変わることで、ややこしくなること。さらに、最初に糸を結びつけた釘から次のスタート位置となる釘に糸が渡ること。余分に糸が渡るわけですが、釘の外側なのでたいして気にはなりませんが。

今回は2つ目の方法で作りました。48本の釘に対して、糸をかけた数は23、21、19、18、17、13、11、9、5です。21と18と9の時はスタート位置をずらす方法をとりました。さらに最後に銀色の糸で23ずつかけ、ベールで覆うような感じに仕上げました。

糸かけ

まとめ

すべての釘に糸がかからずにスタート位置に戻ったら、それはもうダメだと思っていましたが、ワークショップに参加して、こういう方法もあるのだと知って目からウロコでした。でも、釘数を素数にした方がもっと簡単ではないかとも思います。今回は48本の釘を使いましたが、1本減らして47本にすれば、スタート位置をずらすことなく、すべての自然数で糸がかけられます。また1本増やして49本にすれば、7の倍数以外の自然数でかけられます。次は、素数の釘でやってみようと思います。

問題は、素数の釘打シートを作るのが難しいことです。少し前までアマゾンでKindle版が発売されていたので私は購入しましたが、廃刊になったそうです。でも、まもなく無料でダウンロードできるページが公開されるそうです。このブログにも追記しますね。

わたしには、糸かけに関してもうひとつ問題があります。たくさん作っても飾るところもないし、しまっておくところもないことです。そんなことを言い訳に、まだたいして作っていませんが、たんなる手芸としてだけでなく奥が深そうなので、ぼちぼち挑戦するつもりです。

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