<読書>『すごいトシヨリBOOK』 池内紀著

この頃、トシヨリについて書かれた本をよく読みます。自分がトシヨリのくせに、トシヨリとはどんなものなのかよく分からず、ほかのトシヨリたちは皆どうしているんだろうと知りたくなるからです。

大きく分けると、若い人が書いた年寄りを科学的に分析したような本と、年寄り自らが体験をもとに書いた本があります。今回読んだ『すごいトシヨリBOOK』は後者です。池内紀さんは1940年生まれ、本の中には<今年ちょうど77歳になる>とあります。

体験にもとづいたものは、ひとそれぞれ過ごした時間や環境が違うわけですから、そんなことは無理、自分には出来ないと思うこともありますが、一方でトシヨリ同士ふむふむと頷けることも多々あります。

予定というものは普通は生きていることを前提に立てるわけですが、トシヨリの場合は○◯歳には自分はもういないということを前提にし、その前にコレをしよう、アレもしておこうと考えると様々なことを決断しやすくなると書かれています。

○◯歳を平均寿命にしたいところですが、それはちょっと欲張りかもしれません。もうすこし短いスパンで予定を立て、幸い生きていたら、ありがたい延長戦だというくらいに考えたほうがいいかもしれませんね。

老いることは不安ですから、トシヨリは群れたがります。そのうえ最近は、家に閉じこもっていてはダメ、地域の人と交流し、元気ならボランティアをしようと世の中全体、トシヨリが外へ出ることを推奨しています。ですが、単に寂しさを紛らわせるために群れるだけではマイナスとマイナスを足すだけでプラスにはなりません。ひとりひとりが自立していなければプラスは生まれません。

池内さんがおっしゃるとおりで、老人の集まりというのは、なかなか難しいというのは実感するところです。

人間の細胞は再生を繰り返し4年ぐらいで一巡するそうです。なので4年単位ぐらいで自分に何か新しいことを課し、試してみたらどうかと言っています。

子供の頃や若い時にやっていたことは、極めるまでには至らなかったとしても、やはり自分が一番好きなことなのではないでしょうか。それを今度は本格的にやってみたらどうか。池内さん自身はデッサン、ギター、将棋をリタイア後に始めたそうですが、思い返えせば、どれも子供の頃に好きだったことだそうです。

これは大きく頷けます。今更やっても何の役にも立ちはしない、なんて考えずにまずは4年、子供の頃に好きだったことをもう一度、思いっきり楽しんでみたらどうでしょう。

また池内さんは、好物のワインのラベルや煎餅のパッケージの一部をコレクションしています。今は断捨離が流行っていますが、誰でも自分の好きなものを身近に置いておきたいと思うものです。

わたしにとっては、このブログ記事や下手な写真もコレクションと言えなくもありません。お金を払ってサーバーを借りているので、自分で管理できない時がきたら自然に消滅します。自分が生きている間だけは残しておきたいけれど、その後はさっぱり消えてほしいモノ。ブログっていいかもしれませんね。

バジルのピザ

野菜直売所のカフェで、地元で採れたバジルの大きなピザを今日も完食。

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