肉眼では見られないモノクロならではの世界を表現しよう
街スナップでは雰囲気を撮りたいのに色が邪魔だと感じることがあります。RAWで撮っているので撮影後に画像ソフトでモノクロに変換することはできますが、最初からモノクロで撮ってみたいと思い、講座に参加することにしました。
Academy X 講座一覧
https://imagingplaza.fujifilm.com/academyx/seminar/list
この日の講座は「中級編」です。初級編から受講したかったのですが8月、9月の講座一覧には見当たりません。最初に中級、後から初級でもいいでしょう(笑)。講師は、諏訪 光二先生。
モノクロの目で、頭の中をモノクロにして撮るように。カラーで撮るのとモノクロで撮るのとでは、そもそも被写体探しから違っているので、カラーで撮ってモノクロに変換しても上手くいかないとのこと。
じつは、ここまでは初級編の復習でした。
フィルターを使いこなそう
中級編ではフィルターの使い方を学びます。そんなこととは知らずに参加しましたが、一番知りたい内容で、よかったです。
モノクロでのフィルターの役割
- コントラストを変更する
- 不要な波長の光をカットする
- 色ごとのグレーの再現をコントロールする
フィルムカメラでのモノクロ撮影
1と2は、デジタルカメラではフィルターを使わず出来るようになったそうです。1のコントラストについてはカメラ側で操作できると、わたしにも分かります。
2の不要な波長の光とは何でしょうか。モノクロフィルムは可視領域を超える紫外線に反応するため、それをカットするYe(イエロー)フィルターが必要なのだそうです。Yeフィルターを使用することによって目で見ているトーンで写すことが出来るようになるので、フィルムカメラでのモノクロ撮影にはYeフィルターは必須でした。
デジタルカメラでのモノクロ撮影
1と2が不要になったデジタルカメラでフィルターを使うのは、モノクロ写真で最も大切なグレートーンをコントロールするためです。
わたしのデジタルカメラ(X-T20)には、Ye(イエロー)R(レッド)G(グリーン)の3種類が付いています。フィルターの違いをきちんと知って、トーンをイメージしながら、シーンに応じてフィルターを切り替えることが大切です。
簡単に言うと、同系色のフィルターを使うと明るく、補色のフィルターを使うと濃くなります。例えば、青空はR(レッド)フィルターを使うと、濃く表現できます。
後半の実習で、諏訪先生がとても分かりやすい例を実際に撮影しながら説明してくれたので、載せておきます。
カラー(フィルムシミュレーション:プロビア)
モノクロ(フィルムシミュレーション:アクロス)
STD(初期設定 フィルターなし)
これでは注意喚起できないような・・・(笑)
モノクロ(フィルムシミュレーション:アクロス)
R(レッド)フィルター使用
インパクトありますね。
モノクロ(フィルムシミュレーション:アクロス)
G(グリーン)フィルター使用
実際にカラーで見ている時の印象に近いかも・・・
モノクロ(フィルムシミュレーション:アクロス)
Ye(イエロー)フィルター使用
(富士のカメラの場合、モノクロ設定よりフィルムシミュレーションのアクロスのほうが豊かな表現ができるので、オススメだそうです。)
フィルターを使えば表現の幅が広がります。例えば、暗い背景に置かれた赤い花は、そのままでは背景に埋没して目立ちませんが、Rフィルターを使えばインパクトのある写真になります。フィルターを使いこなせたらモノクロ写真がいっそう楽しくなりますね。
トーンコントロールを使いこなそう
富士のカメラは、シャドウトーンとハイライトトーンを別々にコントロールできます。
(-2)ソフト ~ (+4)ハード の7段階の調整ができます。
注意点は、シャドーをプラスとは、明るくすることではなく、暗さをプラス(強調)すると言うことです。ハイライト+4 シャドー+4 が最硬調で、ハイライト-2 シャドー-2 が最軟調ということになります。
まとめ
モノクロ写真を学ぶ際は、まずはフィルターワークを、次にトーンコントロールを試して、自分の好みを見つけましょう。
いろいろ勉強しましたが、じつは最初からあれこれ設定を変えると身に付きにくいそうです。まずは、今日はこの設定でと決めて撮ってみましょう。
諏訪先生に質問しました
モノクロ撮影のホワイトバランスについて
以前オリンパスのPEN-Fを使っていた時に、モノクロ撮影の際のホワイトバランスについて気になり、実験したことがあります。
今回、フィルターを使っての色別のトーン変化について学びました。それで、ホワイトバランスによってもトーンが変わることを思い出したので質問しました。変わるとのことです。モノクロでも最初に正しいホワイトバランスにしておく必要があります。
ただし、富士のカメラはホワイトバランスが正確に働くので、まぁオートでいいでしょうとのことです。
モノクロ撮影のダイナミックレンジについて
ハイライトトーンとシャドートーンのコントロールについて学んだので、ダイナミックレンジを広げるのはどうなのだろうと思い、質問しました。ダイナミックレンジを大きくするとISO感度が上がりノイズが増えるので100%のほうがいいそうです。
100%が良いという回答だろうとは思っていましたが、ダイナミックレンジを400%にしたふんわり写真を撮るために富士のカメラを買ったので、いちおう質問してみました(笑)。
次週に続く
次回、講評会と富士の現像ソフトの説明があるそうです。フィルターを使って撮ったものを3枚提出するようにという宿題が出ています。
諏訪先生の話はとても分かりやすく、大変勉強になりました。しか〜し、すぐに上手く撮れるというものではありません(笑)。
モワモワとしているのは、暑さを和らげるためのミストシャワーです。