埼玉にもあった日本遺産 01

世界遺産は知っていても日本遺産というものがあることを知らない人もいるのではないでしょうか。わたしもその一人ですが…。わが埼玉県にもありました。行田です。

和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田

日本遺産ポータルサイト
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/stories/story041/

10/13、行田市教育委員会の主催による「足袋蔵等近代化遺産見学ツアー」に参加しました。午前10時から午後4時まで、いくつもの足袋蔵を訪ね、けっこう長時間ご案内いただいて体くたくた、頭ぱんぱんとなりました。

その中で、特に印象に残ったものです。
その1 武蔵野銀行
その2 奥貫家の蔵
その3 足袋工場

武蔵野銀行行田支店

武蔵野銀行におじゃましまして、昭和21年3月に昭和天皇が埼玉県下を行幸された際に御晝食を召された部屋を拝見し、そのあと普通は上がれない屋上を案内していただきました。

武蔵野銀行行田支店は、忍貯金銀行の店舗として昭和9年竣工。 彫りの深い近代復興式の鉄筋コンクリート造2階建ての本格的銀行建築です。昭和19年に行田足袋元売販売株式会社へ売却され、昭和天皇行幸当時は足袋会館として使われていました。その後、昭和44年から武蔵野銀行行田支店になっています。

武蔵野銀行行田支店

現在は応接室となっているようで、わたしたちも中に入れていただきました。支店長さんから話を伺いましたが、もちろん支店長さんは天皇陛下にお会いしていません。当時のことが書き残されている額があり、そこに書かれていることをお話しくださいました。

部屋の壁面には美しいレリーフが施されています。左下に少し写っているのが当時のことが書かれた額です。写真に撮らせていただき、家に帰ってからじっくりと読ませてもらいました。とても興味深い内容です。(実物のネットへの掲載の可否について伺っていませんので、写真ではチラッとだけにしておきます)

武蔵野銀行行田支店

額には、人間天皇として国民に親しく接する機を得たのは昭和21年2月19日、神奈川県下に戦後初めて行幸された時と記されています。続いて、3月28日に埼玉県に行幸され、午前10時に熊谷市電話局屋上より市民に大御心をかけられ、11時に行田市の足袋工場を視察され、足袋会館(現武蔵野銀行)に御成り、2階会議室で御晝食を召されたとのことです。行田(当時忍町)市民は感動と感涙にむせびつつ会館を取り囲み、陛下が玄関にお出ましになるや万歳の声が上がり号泣となったそうです。天皇陛下を迎えるにあたり、不眠不休の苦心筆舌に尽し難きものありとも書かれています。

屋上にご案内いただき、上から見た現在の行田市内です。

武蔵野銀行行田支店

地上から見た現在の武蔵野銀行行田支店です。外壁は当時流行のスクラッチタイル貼りで、本格的な歯飾りの軒蛇腹というものだそうです。銀行というと、お金のことしか頭にありませんが、たまには屋上を見上げるのもいいですね。

武蔵野銀行行田支店

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