今月の読書 2020/09

2020年9月に読んだ本

山の上ホテル

1. i(あい)めぇ〜る 田辺聖子 2002/10/30

若い頃に大好きだった田辺聖子さん。久しぶりに懐かしく読んだこの本は小説ではなく、さまざまなところで発表したエッセイをまとめたものです。

女性の生き方は田辺さんが生きた時代とはずいぶん変化しましたが、「人生を楽しむために生きるのだ。楽しむことは人を愛すること、人に愛されることにほかならない」とおっしゃる田辺さんの言葉は、令和となった今にも通じます。

2.100年人生 七転び八転び 外山滋比古 2019/6/9

人生、転んで当たり前。失敗は忘却し、新たな楽しみへと向かう。この本のタイトルは、そんなことを言っているのかもしれません。

以下、引用。

おもしろいこと、明日が楽しみというものがあるかないかで、年の取り方が大きく変わってくるのです。(中略)おもしろいことがあれば、あまり年を気にしなくなるんじゃないか。年を気にしないのが、いちばんいい年のとり方じゃないかと思います。

3.こうやって、考える 外山滋比古 2017/9/1

『思考の整理学』をはじめとする外山先生の著書23冊からの抜粋、150が載っています。

高齢者にとってヒントになりそうなこと。
その1、本は読みっぱなしにせず、感想を書く習慣をつける。頭脳をよくするもっともよい方法は書くことである。

その2、忘却は記憶以上のことをすることができる。知識は人を賢くするが、忘却は知識ではできない思考を活発にする。

その3、外へ出て、あてどもなく歩いていると新しいアイディアが浮かぶ。

4.鎌田式「スクワット」と「かかと落とし」 鎌田實 2019/5/29

ピンピンコロリを実現するための「筋活」について書かれています。妄想でもいいから、自分が理想とする未来を描き、こうなりたいという「ビジョン」を持つことが大事。そうすると、なんだかやれそうな気がしてくるそうです。

図書館で借りた本なので、鎌田先生が「スクワット」と「かかと落とし」をやっているイラストが載ったページを写真に撮って保存しました(笑)。あとは実行あるのみ。まずは、めざせ!3キロ減量。ちなみに、鎌田先生は3年で9キロの減量に成功したそうです。

5.聖路加国際病院の愛情健康レシピ  2015/11/5

図書館で借りた後、中古本を購入しました。本を見ないと作れないような料理ではありません。では、なぜ買ったのか。1ページごとに、ご飯、汁物、おかずと1食分500kcalの料理の写真が載っているので、これを見れば食べ過ぎを防げそうだから。わたしにとっては、作るための本というより、ながめる本です。

6. 生きて死ぬ私 茂木健一郎 1998/6/30

チョコレートを食べた時の舌触り、みかんの皮を剥いた時の匂い、シャツの肌触り、喜び、悲しみ、心に住まうものは「脳内現象」に過ぎない。脳はタンパク質や核酸で出来た豆腐のような小さな塊であり、人はその狭い空間に閉じ込められた存在である。

自分の全てが頭蓋骨の中にあるとすれば、自分で自分を変えられる。前向きに捉えたい。

7. 13歳からのアート思考 末永幸歩 2020/2/19

流し読み。あとがきにある、美術館へは「心の安らぎ」ではなく「非日常的な刺激」を求めて訪れるという言葉が気に入りました。

8.じゃない写真 渡部さとる 2020/1/24

最近の写真はよくわからない。現代写真にとって「わからない」はとても重要な「写真の要素」であり強みでもある、と渡部さんは言います。無理にわからせようとせず、わからないものをわからないままにするのが現在の写真の動向である。写真展や写真集からテキストが急速に消え始めている。

今もっとも新しい写真表現だというアルルフォトフェスティバルで開かれた「茶席」でのサイアノタイプ印画紙を使ったブループリントのイベントが、興味深い。

フィルムからデジタルへ、カメラからスマホへ。暮らしは新しい生活様式へと変わていくなかで、筆者が言うところの”何かを伝えるためじゃなく、自分でもよくわからないもの。何かを写したものじゃなくて、何かが写っているもの。”を撮っていきたい。

9.歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ 甲斐みのり 2018/6/18

「10月の読書」トップの写真は、この本の表紙にもなっている山の上ホテルです。2年前に訪れました。これまでに行ったことのあるところ、これから行ってみたいところを、うっとり眺めながらコロナの1日も早い終息を切に願います。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする