今月の読書 2020/07

2020年7月に読んだ本

あじさい

1.困難な成熟 内田樹 2015/9/11

今月も図書館で借りた内田樹から。

すでに自分にはたくさんのものが贈られていることを自覚することが大切。そうすれば次は自分が贈る側になり、もらったものよりほんの少しだけ多く返そうという気持ちになる。この贈与のサイクルがはたらけば、持続可能な豊かな社会が実現するはず。

人間は、夢を思い描くことも出来るし、起きたら嫌だなということを想像してしまうこともある。想像された未来は強い吸引力を持ち、無意識に引き寄せられてしまう。だから負の方向を見て、取り越し苦労をしてはならない。コロナが蔓延した世界なんて想像しない。人間の知恵が勝つ!

2.下流志向 内田樹 2007/1/30

起源的な意味での学びは母語の習得です。自分が何を学んでいるのかを知らず、何の価値や有用性をもつかも言えないところから始まります。学びとは、学ぶ前には知られていなかった度量衡によって、事後に意味や意義が考量されるダイナミックなプロセスです。

学びの後に、自分の前にはどんな世界が見えてくるのか。そう考えると、ちょっとわくわくしますね。

3.そのうちなんとかなるだろう 内田樹 2019/7/11

自叙伝です。人生の分岐点でどちらを選んでも、結局同じようなところにたどり着いたような気がすると書かれています。

自分のこれまでに対して納得でき、気持ちが楽になりました。

4.短歌をよむ 俵万智 1993/10/20

短歌と写真の共通点が多いことに気付きました。

短歌は「あっ」と感じる、心の揺れから作られる。まさにシャッターを切るときと一緒です。実際の出来事そのままではなく、言葉というかたちになる過程で「現実よりも真実」を描き出します。「見たままではなく、感じたまま」を切り取りとる写真と同じです。

短歌には「題詠」という、題を与えられて詠むというものがあるそうです。触媒としての「題」は写真における「テーマ」とも言えます。

5.はじめての短歌 穂村弘 2014/4/20

もとの短歌と添削後の短歌を載せて解説することはよくありますが、この本はもとの短歌に対して改悪例を示しています。人の心の混沌、それを表現する言葉の面白さを改めて感じさせてくれました。

6. 写真の表現テクニック入門 上田晃司 2019/4/1

写真の本は最初から順に、そして最後まで一気に読むということがありません。まず写真だけを見て、気になった写真が載っているページから読む。今回は、自宅待機で外で写真が撮れず時間もあるので、ふつうの本のように初めから順番に読んでいきました。

105mm F1.4レンズをストリートスナップで使うと、前ボケ後ろボケを加え、主題を引き立てることができるので、あたかも映画のワンシーンのように写すことができるそうです。望遠レンズでスナップというのは斬新ですね。

広角レンズの場合はグッと近づいてローアングルで、画角からはみ出るように撮ると、遠近感が強調されダイナミックな写真になる。やっと箱から出したGR IIIでまずはこちらを試してみましょう。

7.もう一度花咲かせよう 残間里江子 2019/4/10

豊富な人脈を持つ残間さんの知り合いの定年後について書かれています。ご自身の話ではないので、広く浅くです。「人生いろいろ」だと感じさせます。

植物にとって花を咲かせるのは繁殖のためですが、定年後の人生においては自分が楽しむために、人を楽しませるために咲き続けたいものです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする