見逃されている美 ソール・ライター展を観て

渋谷のザ・ミュージアムで開かれている「写真家ソール・ライター展」へ行ってきました。

ちょっと急ぎ足での鑑賞だったので、図録を買うことにしました。購入のもう一つの理由は、写真だけでなく、ソール・ライターの言葉をゆっくり読みたかったからです。

会場で写真を撮ることはできませんので、ひとつだけノートにしっかり書き留めてきた言葉があります。

写真を見る人への写真家からの贈り物は、日常で見逃されている美を時々提示することだ。

“A photographer’s gift to the viewer is sometimes beauty in the overlooked ordinary.”

ソール・ライター展

1932年に生まれ、1958年頃からはトップクラスのファッション写真家として活躍したライター。ところが80年代に入り、仕事に見切りをつけて表舞台から姿を消したそうです。

そして2006年、ライターが83歳の時にシュタイデルと出会い、写真集”Early Color”が出版されました。

一世代前の写真家の作品を見るにつけ思うのは、カメラがすごく身近になり、誰もが写真を楽しめる時代になったことのありがたさです。

今回の写真展にはなかった、ひと知れず静かな生活を送っていた20数年の間に撮った写真も見たいものです。

素敵な写真を見ると、真似して撮ってみたくなります。真似の中から、いろんなことがわかるでしょう。技法だけでなく、気持ちもライターになりきれば、見逃している美が見つかるかもしれません。

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